SSブログ

肩関節周囲炎の病態と評価5 腱板 関節包 腱板疎部 [運動器]

今日は拘縮の原因について、腱板、関節包、腱板疎部の3つについて解説していきます。

腱板構成筋 (short rotatorとlong rotator)

関節包炎などの侵害刺激に対する反射性収縮による腱板構成筋の筋攣縮(spasm)の影響が考えられる。
腱板は関節包を覆うように密着しているため、関節包自体の柔軟性をも阻害しているかもしれない。


スポンサードリンク










急性炎症期に可動域を維持することができれば、long rotatorの短縮は最小限に留められる。
拘縮が長引けば短縮が著明になり、大胸筋、大円筋、広背筋、上腕三頭筋、三角筋後部線維などに非常に強い緊張を触知できる。また小胸筋の過剰な筋緊張がしばしば観察され、著明な圧痛を認める。


関節包
生体内では関節腔は陰圧に保たれており、関節包そのものが制動機能の中心的役割。
関節包の伸張性が低下により、可動域制限に直結。同時に臼蓋上腕靭帯にも影響し、拘縮がより強固になる。
関節造影剤の注入によると、拘縮肩では必ずといっていいほど関節腔の狭小化が認められる。



腱板疎部
(rotator interval:RI)
烏口突起の外側、棘上筋腱と肩甲下筋腱との間隙部分であり、脆弱な部分。
炎症を起こしやすく、線維化の病理組織所見が認められる。
特に烏口上腕靭帯との癒着や瘢痕化は拘縮肩の重症度を高める。

次回は烏口上腕靭帯、肩峰下滑液包、肩甲下滑液包について説明します。
肩関節周囲炎の患者像1
肩関節周囲炎の患者像 2 評価のポイント
肩関節周囲炎の病態と評価1 肩関節周囲炎の分類
肩関節周囲炎の病態と評価2 五十肩(frozen shoulder)
肩関節周囲炎の病態と評価3 肩の痛み
肩関節周囲炎の病態と評価4 拘縮
肩関節周囲炎の病態と評価5 腱板 関節包 腱板疎部
肩関節周囲炎の病態と評価6 烏口上腕靭帯 肩峰下滑液包 肩甲下滑液包
肩関節周囲炎の病態と評価7 筋力 まとめ


スポンサードリンク









nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。